2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Lesen

「本を読みなさいと言われますが、なぜ本を読む必要があるのでしょうか?」と質問を受けたことがある。 あなたは人に聞かれたときにどう答えますか? 私はその時「新しい知識を取り入れて自分の成長に繋げるためだよ」とか適当に答えたと思うが、本音は「そ…

【三題噺】本 残骸 輝くかけら

私は部屋の本棚にあったすべての本を一心不乱に破いていた。 理由は自分ではっきりとわかっている。ただの嫉妬だ。小説家になった同級生の本が賞を取って新聞に載ったことで、輝かしい人生を歩む奴と、ふらふらと職を転々とし、素直に奴の成功を祝福できない…

【三題噺】光 井戸 いてつく運命 

光 井戸 いてつく運命 ジャンル「偏愛もの」 冷たい井戸の底から今日もあなたのことを考える。この井戸は暗く、じめじめとしている。どうしてこの井戸の中にいるのか、理由はもう分らない。井戸の上を日が通り、月が通る。その繰り返しが延々と続くのみだ。 …

【三題噺】雨 偽物、偽者 腹巻き

雨 偽物、偽者 腹巻き 誰も通らない夏の田舎道。突然来た土砂降りの夕立の中、ベンチに座ってぼうっとバスを待っていたら、ずぶ濡れになりながらやせ細った男が停留所に駆け込んできた。 軽く会釈をして視線を外に向け、まだ来る気配のないバスを待っている…

【三題噺】春 ガイコツ 最高のメガネ

春 ガイコツ 最高のメガネ ジャンル「童話」 あらゆるものがメガネで出来ている不思議な国がありました。人々はメガネのパンを食べ、メガネの服を着て、メガネの車に乗って仕事に出かけます。 ある日、メガネの水晶で占いごとしていた占い師のおじいさんが、…

Opportunité

社会人になって初めての誕生日、一日を振り返っての感想は「しんどい」の一言に尽きる。 大人しく酒飲んで寝ればいいのかもしれないが、高校時代に好きだった物書きさんの名前を思い出したので、いい機会だとつらつら昔の話を垂れようと思った。 小さいころ…